ホウボウという魚がいます。
鰭が変化して、脚のようになっていたり、
また、その胸鰭が、実に美しく、オオムラサキのような柄をしています。
図鑑で眺めていて、”すっごいなぁーーーー”と感心していました。
まさか、そんな魚が目の前に現れるとは!!
夜中から釣りをしていて、満潮前に餌が無くなってしまいました。
仕方がないので、その場所を撤退し、
帰路の途中で、虫餌を置いている釣り具屋を探し、今まで釣行をした事のない場所で釣りをしてみようと思いました。
釣り具屋で、ポイント聞いて、
疲れていたから、テトラ回りや、岸壁裏はあきらめ、手軽な海水浴場を選びました。
釣り具屋さん曰く、”キスねーーー?釣れるけど、こんまかよ”
なんどか、キャストすると
微妙な当たりがありました。
10cm前後のキスが釣れました。
最初は、ワカサギかと思うくらいのキスです。
三本釣竿を用意して、キャスト
重い!と思ったらヒトデでした。
少しの間置き竿になった仕掛けを巻き上げると
二本あるうちの後ろの針に何やら少し大きめの
魚が付いてきました。
”やっと、まともな型になった”と思って引き揚げた魚は見慣れない形でした。
なんだか顔はいかついし、
こげ茶色だし、
針をはずそうと思った瞬間!!
胸鰭の、青紫色が視界に飛び込んできました。
”ホウボウ!!!ホウボウ!!!すげーーーー!!”
こんなところで、お目にかかれるとは!
しかし、残念なことに針を飲み込まれてしまっています。
それもかなり奥まで、食い込んでいます。
なんとか、針をはずし、バケツに入れたら
胸鰭を広げ、オオムラサキを見せてくれました。
”うわぁーーーーー、こんなにきれいなんだ!!!!”
ほぼ徹夜の釣行も一気に吹っ飛ぶ大興奮状態です。
さらに、胸鰭の変化した脚を使って、動いて見せてもくれました。
十分後、ホウボウは残念ながら★になりました。
デジカメも何もない状況だったので
とにかく家に持って帰ることにしました。
図鑑を調べると、かなりおいしいことが分かり、
写真撮影のあと刺身で食べることにしました。
せっかくなので、美しい胸鰭を、押し花のようにして水抜きをしてみる事にしました。
刺身になったホウボウは、予想をはるかに超えた、超絶品でした。
油ののりといい、食感といい、旨みといい、申し分なしです。
初めて食べたので、まだまだおいしい魚がいるもんだと実感しました。
残念ながら、押し花作戦は失敗で、
乾燥に伴って、鮮やかな色は消えて
白黒写真のようになってしまいました。
いつの日か、再挑戦して、水槽で是非観察したいものだと
決意を新たにしました。
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